コロナウィルス騒動顛末記 アメリカの場合
2020年大統領選挙の予測の前提として、2016年トランプvsヒラリーの大統領本選挙を決定付ける要素を検証する
専門家アナリストは4年前当時各メディアで各種世論調査・予備選挙参加人数など数的根拠及び共和党保守派の選挙動向に基づいてトランプ大統領の僅差による当選を予測した。あくまでも中立公正で俯瞰的な立ち位置に寄って米共和党・米民主党のいずれの陣営に偏ることなく、選挙戦の行方について冷静に純分析したものであった。
共和党員集会で支援者が熱狂的に歓迎された
ラストベルトが勝敗の明暗を分けたが、日本ではその勝敗要因についていまだに正確に理解も解析も為されていない。そして、その最大の要因を理解することは2020年大統領選挙を左右する各陣営の戦略を理解する上で極めて重要だ。
それはラストベルトの白人・低学歴・低所得者、いわゆるヒルビリーと呼ばれる層が選挙結果の雌雄を決したという巷のメディア評価は誇大された過大評価である。
全米世論調査協会が選挙翌年2017年に公式に否定した隠れトランプ支持者説(世論調査の際にトランプ支持と答えるのが恥ずかしがった為にヒルビリーとレッテル貼りされた階層が虚偽の回答をしたという仮説)のような全くデタラメの大嘘が現在までも一部に通用している大統領選挙分析に関する現状は悲惨であろう。
前回の選挙に於いて勝敗を決めた最大の要因はヒラリーの異常とも言える尋常ではない不人気差に起因する。結果的として、黒人有権者の投票忌避、棄権、製造業・エネルギー産業の労働者層の反発、極左派系支持層の第三極流出等が発生し、トランプ陣営はヒラリー陣営をラストベルトで差し切ることができたのだ。2016年時の民主党予備選挙においてヒラリーVSサンダースは実際の参加人数の盛り上がりに著しく欠落。恐らく民主党の大統領候補者がヒラリークリントンでなくバラクオバマならトランプは先ず間違いなく勝利するることはあり得ない。この結果こそ2020年の大統領選挙を分析する上での大前提となる認識だ。全知全霊の政治生命を賭けたドナルドトランプ大統領の2020年大統領選挙再選のための基本的な大戦略
トランプ大統領が再選戦略で狙っている層はほぼほぼは、2016年大統領選挙の勝因を踏襲したもの。トランプ大統領が演説で常に強調するポイントは、力強い経済情勢に基づく有色人種の低失業率だ。トランプ大統領は必ず同失業率に触れることで、通常は民主党支持である有色人種からの支持を自らに対して幾分かでも削り取ろうとしている。
特に、娘婿のジャレッドクシュナー氏に命じてアフリカ系有権者が求める刑務所改革を実現し、ホワイトハウスに何度もアフリカ系牧師を招いて会合を持っているなど、同層の戦略的に切り崩し工作は常に徹底している。また、選挙戦を左右するスイングスタートであるフロリダ州に多く居住するキューバ系ヒスパニックからの支持を得るため、彼らが憎悪敵視するキューバ・ベネズエラに対しても一貫して強硬な姿勢を貫き続けていることも特筆に値する。好調な経済と政策実績は同有権者層にトランプ支持を確実に拡大していくことになるだろう。
一方、エネルギー開発に関する規制廃止はエネルギー産業・製造業を抱えるラストベルト周辺の労働者には抜群の効果があるものと想定される。特に、リベラルな民主党側候補者が温室効果ガス排出を目の敵とするグリーン・ニューディール政策を打ち出しつつあることが更に追い風となっている。グリーン・ニューディールはラストベルトの労働組合(民主党最大支持基盤)が拒否感を示しており、民主党支持層が票田の大量離反を招く可能性があるからだ。
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